ノート(渡辺ベイズ 5.2節)
渡辺ベイズ(渡辺澄夫『ベイズ統計の理論と方法』)の5.2節の内容について,行間を埋めたノートを以下に公開します.平均場近似〜混合指数型分布に対する変分ベイズ法の導出までが含まれます.
- 対象者は「渡辺ベイズの変分ベイズの節で挫折した人」です.テキストよりも分量が増えているため,自力で読める人は自力で読むことをおすすめします.
- テキストを持っていない人は買いましょう.
- 記号・定義・構成は概ねテキスト通りですが,一部変更があったり筆者の解釈が入っていたりします.
間違いや不明点などあれば筆者 (Twitter: @ubnqf) までお願いします.
*訂正*
*1:人はなぜ投稿前にミスに気付かないのか...
ホッジ分解
一つ前の記事とかなり内容が被っていますが,ホッジ分解についてのまとめノートを共有します.
以下のノートはHodgeRankと呼ばれる手法を提案した論文(Statistical ranking and combinatorial Hodge theory | SpringerLink)を読む上での補助資料として作成したものであり,ホッジ理論一般についてのノートではありません(上記の論文を読む上での必要最低限の知識は網羅しているつもりです).
HodgeRankはホッジ理論を応用したランキング手法であり,所与のデータセットを有意味/無矛盾に大域的にランク付け可能かを評価することができます.このとき鍵となる概念がホッジ分解です.雑に説明すると,所与のデータセットをエッジフロー(グラフ上の流れみたいなもの)として表現し,これをホッジ分解により勾配流(大域的に非循環的な流れ)と無発散流(局所・大域的に循環する流れ)に分解することでデータのランク付けと同時にデータの無矛盾性の評価を実現するみたいな感じです.
なお,以下の記事においてもHodgeRankの"前提知識"に関しての直感的説明があります.
ちなみに,途中で飽きたためHodgeRankそのものについての説明はしていません(ごめんなさい)(詳細を知りたい方は上記論文のIntroを読んでみてください).
間違いなどあれば教えてください.
単体複体のラプラシアン
久々の更新.
かつて私がB4の学生だった頃,Googleで「グラフラプラシアン」と検索をしてみてもろくな日本語資料は出てきませんでした.しかし,最近では,喜ばしいことにグラフラプラシアンについての言及をTwitterやブログ記事などで目にする機会が増えてきたように思います.そこで今回は,この流行に乗っかり,グラフよりも表現力の高い位相空間である単体複体のラプラシアンについて素人なりに書いてみたいと思います.
一応,本記事の対象読者としては「単体的ホモロジーの基礎知識を持っている人間」を想定していますが,用語整理も兼ねて本記事を読む上で必要となる概念(単体複体〜コホモロジー)についての説明も記載しているので,意欲的な方なら読めると思います(コレ一度言ってみたかった).
本当は,ここから微分形式を介してLaplace-Beltrami作用素の導入まで紹介したいところなのですが,私には理解しきれませんでしたのでここで終わりとします.だれか無能でもわかるホッジ理論の解説を...
参考文献は以下になります:
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A. Muhammad and M. Egerstedt, "Control using higher order Laplacians in network topologies," Proc. of 17th International Symposium on Mathematical Theory of Networks and Systems, 2006.
http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/download?doi=10.1.1.716.7479&rep=rep1&type=pdf
- S. Maletić and M. Rajković, "Combinatorial Laplacian and entropy of simplicial complexes associated with complex networks," The European Physical Journal Special Topics 212.1, 2012.